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■ 基本的な考え方 木造住宅の屋根(小屋組)は、建てる場所によって風の強さが異なるため、適切な接合方法(部材のつなぎ方)を選ぶことが大切です。 特に強風による被害を防ぐには、以下のポイントに注意しましょう。
■ 対象となる接合部 風に対する強さを確保するために、屋根のつなぎ目部分が対象となります。 ・たるきともや(軒げた、むなぎ) ・小屋束と小屋ばり ・小屋束ともや(むなぎ) ・野地板とたるき ※「野地板とたるき」の接合は建築基準法の直接対象外ですが、屋根材の飛散を防ぐ観点からも同じように対策が必要です。 また、下記条件も守ってください。 ・たるきの間隔:455mm以下 ・もやの間隔:910mm以下 ■ 接合方法の選び方 接合方法は、建設地の風の強さに応じて、以下の3つから選びます。 ① 標準仕様(一般地域向け) 通常の地域(沿岸部でない)であれば、基本的な「標準仕様」から接合方法を選べます。 ② 強風を考慮した仕様(沿岸部や風が強い地域向け) 風が強く吹く地域(例:沿岸部や山の上)では、より強度の高い接合方法を選ぶのが望ましいです。 屋根が吹き飛ぶなどの被害を抑えることができます。 ※沿岸部でなくても、風が強く吹く立地(例:斜面の上など)では参考にしてください。 ③ 強風+吹込みあり仕様(窓の破損を考慮) 台風などで窓が破損すると、屋内に風が吹き込み、屋根を下から押し上げる力が発生します。 そのような場合に備えた接合方法もあります。 以下の対策も合わせて検討すると良いでしょう。 ・強風に強いガラスを使う ・雨戸やシャッターで窓を守る ■ 接合方法を選ぶ際の注意点 接合部の強さは、使用する木材の種類やたるき・もやの間隔によって変わります。 軒の出が90cm以上の場合や、たるき・もやの間隔が基準を超える場合は、構造計算によって安全性を確認する必要があります。
■ 参考資料 ●強風に強いガラス選び:「安全・安心ガラス設計施工指針 増補版」(日本建築防災協会) ●屋根の接合仕様:「2021年改訂版 瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(発行:全日本瓦工事業連盟 ほか) ●構造計算の基準:「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」(日本住宅・木造技術センター) 次回は、各接合方法の施工時に注意すべきポイントについて、お話します。
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