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■軒の出が600mm超または屋根勾配が5寸超となる場合 2025年4月の建築基準法改正に伴い公開された「表計算ツール」では、屋根の仕様(種類や形状など)を選ぶことで、屋根の重さ(荷重)を自動的に計算してくれるようになっています。 表計算ツールでは 「軒の出(屋根の張り出し部分)が450〜600mm」「屋根の傾斜が5寸(約26.6度)」 を前提とした計算が行われています。 そのため、軒の出が600mmを超える場合や、屋根勾配が5寸を超える建物については、正確な荷重が反映されません。 想定外の軒の出や屋根勾配のケースでは、**「表計算ツール(多機能版)」**を使用することで、より詳細な条件に対応した補正が可能です。 多機能版では、住宅性能表示制度にも対応しており、軒の出や屋根勾配を入力して反映させることができます。 使用方法としては、まず「設計の用途」(住宅性能表示制度、非住宅等)を選び、軒の出や屋根勾配などを入力します。 詳しくは「表計算ツール(多機能版)」の解説資料をご確認ください。
【参考:屋根の荷重設定の考え方】 表計算ツール(在来軸組工法用)では、16.5m×6m(99㎡)の平面モデルを使って計算しています。 軒の出450~600mm、屋根勾配5寸を仮定すると、屋根の面積は床面積の約1.36~1.43倍になります。 しかし、ツールでは計算をシンプルにするため、安全率なども考慮して、屋根荷重を「床面積の1.3倍」として扱っています。 つまり、各部位ごとの「面積あたりの荷重」に1.3を掛けた値が、床面積あたりの荷重になります。 ■屋根断熱とする場合 表計算ツールでは、「天井断熱」が前提となっていて、「屋根断熱」には対応していません。 屋根断熱を採用したい場合も、「表計算ツール(多機能版)」を使用することで対応可能です。 天井断熱では、標準で「100N/㎡」の荷重が設定されています(グラスウール24Kを400mm厚で施工した場合の重さに相当します) 24kg/㎥ × 0.4m × 9.8(N/kg換算)= 約94N/㎡ ≒ 100N/㎡ 屋根断熱にする場合、多機能版の中で「天井(屋根断熱材)」の欄に、 ・断熱材の面積 ・密度(kg/㎥) ・厚さ(m) を任意に入力することで、正確な荷重設定ができます。 断熱の場合も軒の出や勾配と同様、最初に「設計用途」の項目で対象を選んでから入力を始めてください。
次回は、外壁に関する注意点(※2025年4月公開 表計算ツール)について、お話します。
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