NSJ住宅性能研究所

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2025年4月 建築基準法改正 木造軸組構法住宅の構造検討シリーズ30

N値計算の例(出隅+高倍率耐力壁)

建物の角(出隅)にある柱に対して、2方向(たとえばX方向とY方向)から強い耐力壁(高倍率耐力壁)が取り付けられる場合、柱にかかる引き抜きの力(=N値)は通常より大きくなります。

これは、地震の揺れが斜め方向から来たとき、X方向・Y方向の両方の壁に同時に力がかかり、力が柱を通じて柱の上下(柱頭・柱脚)に伝わるためです。

結果、柱を引き抜く力も大きくなります。



柱をしっかり固定するために使う金物(柱脚金物など)を選ぶとき、通常のN値に約1.41(√2)をかけて、より大きな力に対応できるものを選ぶことが望ましいとされています。

特に出隅の部分は、地震力が集中しやすく、柱脚の引き抜きが起こりやすいため注意が必要です。

高倍率の耐力壁が使われている場合は、影響がさらに大きくなります。

こうした理由から、出隅+高倍率耐力壁の組み合わせは、特に慎重な設計と金物選定が求められます。



次回は、N値計算の例(直下に下階柱がない例)について、お話します。

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