NSJ住宅性能研究所

MENU 検索

2025年4月 建築基準法改正 木造軸組構法住宅の構造検討シリーズ7

柱頭柱脚接合部

耐力壁が取り付けられている柱の上下(柱頭・柱脚)には、強い力(特に柱を引き抜こうとする力)がかかります。

そのため、柱と梁や土台の接合部には、その力に耐えられるしっかりとした接合方法が必要です。


接合方法には、以下の2つの選び方があります:

【接合方法の選び方】

(1)階高が3.2m以下の場合

→ 国が定めた仕様(平成12年建設省告示第1460号第2号)を使えば、計算しなくてもOKです。

ただし、この方法には制限があり、「準耐力壁」や「高倍率の面材耐力壁(壁倍率が大きい壁)」などは使えない場合があります。

(2)階高に関係なく使える方法

→ **「N値計算法」**という方法を使います。

「N値」とは、壁がどれくらいの引き抜き力に耐える必要があるかを示す数値です。

N値計算法では、実際の建物や壁の条件に応じて、接合部を計算で決めることができます。


【補足】

建物全体を「許容応力度設計」で構造計算して、接合部の強さを検討する方法もあります。これはより専門的な方法です。

【注意点】

計算不要の告示仕様を使う場合は、使える壁の種類に制限があります。

同じ幅・倍率の耐力壁でも、高さが高くなるほど柱頭・柱脚にかかる引き抜き力は大きくなります。

実際の壁倍率が7倍を超える場合は、7倍ではなく実際の倍率を使って接合方法を決める必要があります。



次回は、(1)告示の仕様による選択(3.2m以下のみ使用可能)について、詳しくお話します。

▲このページのTOPへ