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耐力壁は、数(量)だけでなく、どこにあるか(配置)も大事です。 建物に地震の力が加わるとき、耐力壁の配置が偏っていると、建物が“ねじれる”ようにゆがんでしまいます。 よくある例としては、 ・南側は明るくしたいので大きな窓や開口を取る ・北側はトイレやお風呂などの水まわりが集まっている という間取りです。 このような場合、南側に耐力壁が少なく、北側に多くなるため、バランスが悪くなります。 すると、地震のときに建物が北側を支点にして南側が大きくゆがんでしまいます。 また、**インナーガレージ(建物の中にある駐車スペース)**のある家も、壁が少ない部分がゆがみやすく注意が必要です。
ねじれ変形を防ぐために、昭56建告第1100号第4では、壁配置のバランスを確認する方法として「四分割法」と呼ばれる計算法が規定されています。 「四分割法」では、 「必要壁量」の算出 (※側端部分) →「存在壁量」の算出 (※側端部分) →「壁量充足率」と「壁率比」の算出 (※側端部分) → バランス判定 というプロセスになります。
「四分割法」を使うときには、注意しなければならないポイントが2つあります。 ①壁倍率がとても大きいときのルール いくつかの種類の壁を組み合わせて使うとき、その強さを表す「壁倍率」が7倍より大きくなる場合があります。 ルールでは最大7倍までとして計算します。 ただし、 ・実際にその壁がどれくらいの強さか(実際の壁倍率) ・計算で使うときの強さ(7倍にしたもの) どちらで計算してもOKになるように設計する必要があります。 ② 「準耐力壁」を使うときのルール 建物の各階(1階・2階など)や、各方向(X・Y方向)で、どれだけの耐力壁が必要かを「必要壁量」といいます。 ・耐力壁が、必要壁量の半分以上ある → 耐力壁だけで計算 ・耐力壁が、必要壁量の半分に満たない方向がある → 「準耐力壁」なども含めて計算 という規定になっています。 次回は、「四分割法」について、もう少し詳しくお話します。
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