NSJ住宅性能研究所

2025年4月　建築基準法改正　木造軸組構法住宅の構造検討シリーズ4

壁量の確保２

「存在壁量」についてもう少し詳しくお話します。

壁量とは、耐力壁の壁倍率とその長さを乗じた値です。
壁倍率が1.0倍の耐力壁に置き換えた場合に何ｍに相当するか、を示しています。

ある「必要壁量」を満たすと考える場合、倍率の大きい耐力壁を使用すると、耐力壁の長さが短くてすみ、逆に、倍率の小さい耐力壁を使用すると、耐力壁の長さが長くなります。

耐力壁の仕様によって壁倍率は異なります。
仕様を併用して耐力壁とすることもできます。上限値は7.0倍です

※耐力壁の種類と壁倍率は、昭56建告第1100号に示されています。他には大臣認定を取得した耐力壁もあります

耐力壁のうち、筋かいには注意点があります。

筋かいは階高が高くなると筋かいの角度が大きくなり、つっかえ棒としての機能をうまく出せず、性能が落ちます。

そのため、階高が3.2ｍを超える場合は、低減係数を壁倍率に掛ける必要があります。

※ただし、1.0を超える場合は、1.0

（ちなみに、私は階高が低すぎる場合（母屋下がりやブロック基礎が立ち上がっているなど）も、つっかえ棒としての機能をうまく出せず、性能が落ちると考えているため、カウントしません。
※これは個人的な見解でテキストなどには記載されていない内容です）


次回は、「壁配置のバランス　（「四分割法」と呼ばれる計算法）」について、お話します。