NSJ住宅性能研究所

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【講演報告】千葉大家倶楽部でオンライン講演させていただきました!

<災害リスクを考慮した物件選びと防衛策> 揺れと水は物件の「弱点」を暴く

■築古物件の災害リスクを15分で見抜く|
 地震・豪雨から学ぶ「買う前・買った後」の4つの防災視点

「ハザードマップが白い物件なら安全」
「新耐震基準なら、大地震が来ても問題ない」
「古い物件は危険だから買わない方がよい」

もし、このような基準だけで物件を判断していると、購入後に想定外の修繕費や空室損失が発生するかもしれません。

一方、土地・建物・設備・運営という4つの視点から災害リスクを整理できれば、築古物件でも「買う・見送る・価格交渉する」を根拠を持って判断できます。

2026年9月5日、今回は、千葉大家倶楽部のオンライン講演で、「千葉豪雨、熊本地震―建築士が考える物件の探し方、守り方」をテーマにお話ししました。



■倒壊しなくても賃貸経営は止まる

地震被害というと、建物の全壊や倒壊を想像しがちです。しかし実際には、一部破損による修繕費、入居者の退去、使用停止、家賃収入の減少なども大家さんにとって重大な被害です。

地震による影響は、次のように連鎖します。

「土地が揺れる」
   ↓
「基礎や建物が傷む」
   ↓
「設備が使えなくなる」
   ↓
「賃貸経営に影響する」

特に繰り返し発生する地震では、最初の揺れで生じた接合部の緩み、筋かいの外れ、壁や基礎のひび割れが、その後の揺れによって拡大する可能性があります。

耐震性は、単に「倒れるか、倒れないか」ではありません。入居者の安全と賃貸経営の継続性を守る性能として考える必要があります。


■ハザードマップが白くても水害は起こり得る

豪雨災害については、川からの距離やハザードマップの色だけで安全性を判断できないことを解説しました。

短時間に排水能力を超える雨が降れば、道路が水の通り道となり、周囲より低い土地へ水が集まります。側溝の詰まりや敷地内の排水不良、低い基礎や床下換気口の位置によっては、河川から離れた場所でも浸水する可能性があります。

購入前には、ハザードマップと併せて、次の点を現地で確認することが大切です。

●周辺道路と敷地の高低差
●坂道や道路からの水の流れ
●側溝の深さ・向き・詰まり
●敷地内の排水状況
●基礎と1階床の高さ
●過去の浸水履歴

ハザードマップは重要な資料ですが、「白いから安全」と結論づけるものではなく、現地調査へ進むための入口です。


■災害リスクは「土地・建物・設備・運営」の4層で考える

今回の講演で特にお伝えしたかったのは、地震と豪雨は異なる災害に見えても、物件被害が大きくなる構造には共通点があるということです。

災害リスクは、外から加わる力に、土地・建物・管理上の弱点が重なることで大きくなります。

そこで、物件を次の4層に分けて確認します。

1. 土地:地盤、高低差、盛土・切土、擁壁、排水
2. 建物:基礎、柱、壁、屋根、劣化、増改築履歴
3. 設備:電気、水道、ガス、給湯器、引込管
4. 運営:保険、避難計画、修繕資金、入居者対応

災害そのものは止められません。しかし、物件の弱点を見つけ、補強・修繕・保険・運営体制によって損失を小さくすることはできます。


■築古物件で本当に怖いのは「古さ」より「不明点」

購入後に高額な費用へつながりやすいのは、古い擁壁、軟弱地盤、地中埋設物、細い水道管、履歴不明の増改築などです。

つまり、本当に怖いのは築年数そのものではありません。

「なぜ安いのか分からない」
「どのような工事をしたのか分からない」
「浸水や不具合の履歴が分からない」

このような不明点こそが、数字に表れていない「未計上の負債」です。

講演では、現地へ行く前の約15分で、ハザードマップ、地盤情報、過去の航空写真、道路・水道資料、建築関係資料を調べる方法もご紹介しました。

事前調査によって不明点を減らせば、購入価格への反映、修繕費の見積り、価格交渉、購入見送りといった判断がしやすくなります。


■「買える物件」から「持ち続けられる物件」へ

物件選びでは、利回り、家賃相場、融資、修繕費、出口戦略が重視されます。これからは、そこに「災害リスク」という判断軸を加えることが重要です。

目指すのは、災害リスクが完全にゼロの物件を探し続けることではありません。

リスクを把握し、

●避ける
●補強して減らす
●保険へ移す
●修繕資金を確保して受け入れる

という選択肢から、自分の投資方針に合った対策を決めることです。

そうすれば、築古物件を必要以上に怖がらず、根拠を持って「長く持ち続けられる物件」を選べるようになります。



■講演の様子は、以下の4本の動画でご覧いただけます。

[第1部|熊本地震から「揺れの正体」を学ぶ]

[第2部|千葉豪雨から「水の通り道」を学ぶ]

[第3部|地震と豪雨に共通する物件の弱点]

[第4部|購入前に実践したい調査と判断方法]


■不動産経営を実践的に学べる「千葉大家倶楽部」

千葉大家倶楽部では、不動産投資や賃貸経営について、現場経験を持つ専門家から実践的に学べる講演や勉強会が開催されています。

書籍やインターネットだけでは分かりにくい地域特性、物件調査、融資、修繕、防災、入居者対応などを学び、同じ立場の大家さんや不動産投資家とつながれることも大きな魅力です。

「物件購入の判断に自信を持ちたい」
「所有物件のリスクを減らしたい」
「経験者や専門家のリアルな話を聞きたい」

そのような方は、ぜひ千葉大家倶楽部の次回講演へ参加してみてください。一つの知識や出会いが、将来の大きな損失を防ぎ、より安心できる不動産経営への第一歩になるかもしれません。

[公式サイト]

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