NSJ住宅性能研究所

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鉛直荷重と局部荷重(木造住宅)シリーズ15

暴風対策

◎瓦や軒先の風圧力検討とは?

■台風・暴風で「屋根まわり」が飛ばされないための確認

木造住宅を設計するときには、地震だけでなく風に対する安全性も考える必要があります。

特に台風や暴風のときには、建物全体に強い風圧力がかかります。

風圧力に対する検討は、大きく分けると次の2つです。

●風圧力の検討は大きく2種類ある

① 建物全体が倒れないかを確認する

1つ目は、強い風を受けたときに、建物そのものが倒壊しないかを確認する検討です。

建物に横から風が当たると、建物を押し倒そうとする力が働きます。

この力に抵抗するのが、主に耐力壁です。

つまり、建物全体の風に対する安全性は、

耐力壁の量や配置が十分かどうか

によって確認します。

この内容は、いわゆる鉛直構面の検討に関わる部分です。

② 瓦や軒先などの部材が飛ばされないかを確認する

2つ目は、建物全体ではなく、屋根や外まわりの部材が風で飛ばされないかを確認する検討です。

たとえば、次のような部分です。

・瓦
・軒先
・けらば
・鼻隠し
・破風板
・屋根材の留め付け部分

強い風が吹くと、屋根には上向きに引き上げる力が働くことがあります。

これを吹き上げ力といいます。

特に瓦や軒先は、風の影響を受けやすい部分です。

そのため、建物本体が倒れなくても、屋根材や軒先部材が飛ばされてしまう可能性があります。


■建物が倒れなくても「部分的な破損」は起こる

ここで大事なのは、風に対する安全性は、

建物全体が倒れないことだけでは不十分

ということです。

耐力壁が十分にあって建物全体が安全でも、瓦の固定が弱かったり、軒先の納まりが不十分だったりすると、暴風時に部材が飛散するおそれがあります。

屋根材が飛ばされると、建物内部への雨水侵入や、周囲への飛散被害につながることもあります。


■瓦や軒先の検討が重要な理由

瓦や軒先は、普段はあまり意識されにくい部分です。

しかし、台風時には大きな風圧力を受けるため、構造的にはとても重要な確認ポイントになります。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

・軒の出が大きい住宅
・瓦屋根の住宅
・海沿いや風の強い地域に建つ住宅
・既存住宅で屋根材の固定方法が古い住宅
・リフォームや耐震改修で屋根まわりを触る場合

こうした建物では、屋根材や軒先の固定方法を確認し、必要に応じて補強を検討することが重要です。



<まとめ>暴風対策では「建物全体」と「各部材」の両方を見る

風圧力に対する検討では、まず建物全体が倒壊しないかを確認します。

これは主に耐力壁の量や配置で判断します。

一方で、それだけでは十分ではありません。

暴風時には、瓦や軒先などの屋根まわりの部材にも大きな力がかかります。

そのため、建物全体の安全性に加えて、屋根材や軒先などの各部構造が飛ばされないかを確認することが大切です。

木造住宅の風対策では、

・耐力壁で建物全体を守る
・屋根材や軒先の固定で部分的な飛散を防ぐ

2つをセットで考えることが重要です。


次回は、力の伝達について、お話します。

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