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◎土台のめり込みの検定とは?木造住宅で見落としやすい安全確認をわかりやすく解説 ■土台のめり込みとは? 木造住宅では、柱にかかる重さが土台や梁に伝わります。 このとき、柱の下にある土台が、柱からの力によって少し押しつぶされるように変形することがあります。 これを「めり込み」といいます。 木材は、木の繊維方向には比較的強い材料です。 しかし、繊維に直角方向から押される力には弱い性質があります。 そのため、柱から土台へ大きな力がかかる部分では、土台が過度にめり込まないかを確認する必要があります。
■めり込みは実験で確認されている 実験では、木材に上から力を加えていき、どのくらいの荷重で、どのくらい変形するのかを確認します。 結果、荷重と変形の関係が分かります。 めり込みの特徴は、変形の進み方が一定ではないことです。 最初は比較的かたく抵抗しますが、ある点を超えると、変形が進みやすくなります。 変化するポイントを、構造的には降伏点と考えます。 ■降伏変位は1.5〜2.0mm程度と小さい 一般的な針葉樹の場合、めり込みの降伏変位は、おおむね1.5〜2.0mm程度とされています。 降伏変位とは、簡単にいうと、 「木材が本格的に変形し始める目安となる変位」 のことです。 1.5〜2.0mmと聞くと、とても小さく感じるかもしれません。 しかし、木造住宅の構造では、このような小さな変形でも、柱や土台、仕上げ材などに影響する可能性があります。 ■積雪時のめり込みは安全性と使用性を分けて考える ここで重要なのが、積雪時のめり込みです。 雪が屋根に積もると、建物には一時的に大きな鉛直荷重がかかります。 結果、柱を通じて土台に力が伝わり、めり込みが生じる可能性があります。 ただし、積雪による土台のめり込みが、すぐに建物の倒壊などにつながるとは限りません。 むしろ問題になりやすいのは、建物の安全性そのものよりも、 ・建具の開閉がしにくくなる ・床や壁にわずかな変形が出る ・仕上げ材に不具合が出る といった使用上の支障です。 そのため、積雪時のめり込み検定では、通常の長期荷重とは少し違う考え方が採用されています。 ■土台のめり込み検定では許容応力度の扱いが変わる 土台などのめり込み検定における長期許容応力度の扱いが整理されています。 通常、木材の許容応力度は、基準強度に対して一定の安全率を見込んで設定されます。 しかし、積雪時のように、荷重が一時的に作用する場合には、長期荷重とまったく同じ扱いにするのではなく、状況に応じて評価方法が変わります。 つまり、土台のめり込み検定では、 「どの荷重が、どのくらいの期間、どの部材に作用するのか」 を考えながら、安全性や使用性を確認することが大切です。 ■めり込みの基準強度は樹種ごとに決まっている めり込みの計算では、木材ごとのめり込み基準強度を使います。 樹種ごとの基準強度が示されています。 木材は、スギ、ヒノキ、ベイマツなど、樹種によって強度が異なります。 そのため、めり込みの検定でも、使用する木材の種類に応じた数値を使う必要があります。 集成材の場合でも、基本的には同じ考え方で扱います。
■なぜ土台のめり込み検定が重要なのか? 土台のめり込みは、建築基準法の仕様規定だけでは細かく確認しきれない部分です。 特に、次のような場合には注意が必要です。 ・大きな鉛直荷重を受ける柱がある ・耐力壁端部の柱に大きな圧縮力が生じる ・積雪荷重を考慮する地域である ・土台や梁に柱の荷重が集中している ・古い木造住宅で部材断面が小さい こうした部分では、単に「柱がある」「土台がある」というだけでは不十分です。 柱から伝わる力に対して、土台や梁が局部的に押しつぶされないかを検討する必要があります。 <まとめ>土台のめり込み検定は「小さな変形」を見逃さないための確認 土台のめり込み検定は、柱から伝わる鉛直荷重によって、土台や梁が過度に変形しないかを確認するための検討です。 ポイントを整理すると、次のようになります。 ・木材は繊維に直角方向から押される力に弱い ・柱から土台へ力が集中するとめり込みが生じる ・一般的な針葉樹の降伏変位は1.5〜2.0mm程度と小さい ・積雪時のめり込みは安全性だけでなく使用性への影響も考える ・めり込み基準強度は樹種ごとに決められている ・詳細な確認には、構造計算による検定が重要になる 土台のめり込みは、見た目では分かりにくい部分です。 しかし、木造住宅の力の流れを考えるうえでは、柱・梁・土台・基礎へと荷重がきちんと伝わるかを確認する、とても重要な検討項目です。 次回は、暴風対策について、お話します。
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