NSJ住宅性能研究所

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各部設計(木造住宅)シリーズ13

横架材接合部

◎木造住宅の床は「曲げを受ける梁」として考える

■床は水平力を耐力壁へ伝える重要な構造部分

木造住宅の床は、日常的には人や家具などの重さを支える部分として見られます。

しかし、構造設計の視点では、床はそれだけの役割ではありません。

地震や強風によって建物に水平力が加わったとき、床はその力を受け止め、耐力壁や横架材へ伝える重要な役割を担います。

このような床の働きを理解するためには、床を「曲げを受ける梁」として考える(断面的に見る)ことが有効です。


■床を梁に置き換えると力の流れが理解しやすい

梁は、荷重を受けると曲がろうとします。

そのとき、梁の内部には曲げやせん断といった力が生じ、端部の接合部にも大きな力が伝わります。

床も同じように、地震力や風圧力を受けると、床面全体で力を受けながら、周囲の横架材や耐力壁へ力を伝えます。

つまり、床を一枚の板のように見るだけではなく、梁のように力を受けて伝える構造部材として捉えることが重要です。


■横架材接合部は仕様規定だけでは細かく決まっていない

梁や桁などの横架材の接合部については、建築基準法施行令の仕様規定では、特に細かい規定がありません。

そのため、壁量計算を中心とした仕様規定による設計では、横架材接合部をどのような仕様にするかは、設計者の判断に任されている部分が大きくなります。

もちろん、一般的な納まりや慣用的な接合方法が使われることはあります。

しかし、それが実際にどの程度の力に耐えられるのかを確認するには、より具体的な構造検討が必要になります。



■許容応力度計算では接合部にかかる力を確認する

許容応力度計算では、横架材や接合部にどのような力がかかるのかを計算します。

接合部にかかる力を把握したうえで、その力に耐えられる接合金物や納まりを選定します。

これは、経験や感覚だけで接合部を決めるのではなく、構造的な根拠をもって設計するということです。

特に、床が水平力を受ける場面では、横架材端部の接合部が力を正しく伝えられるかどうかが重要になります。


■軸組構法の横架材端部接合部は3つの場合に分けて検討する

木造軸組構法における横架材端部の接合部は、力のかかり方に応じて、大きく3つの場合に分けて検討します。

床を梁のように考えたとき、横架材の端部にはさまざまな力が生じます。

そのため、どのような力が接合部に作用するのかを整理し、それぞれのケースに応じて安全性を確認する必要があります。


<まとめ>床を梁として見ることで接合部設計の重要性が分かる

木造住宅の床は、単に鉛直荷重を支えるだけの部材ではありません。

地震や強風時には、水平力を受け止め、耐力壁や横架材へ伝える重要な構造要素です。

その働きを理解するためには、床を「曲げを受ける梁」として考える(断面的に見る)視点が役立ちます。

横架材接合部は、仕様規定では細かく定められていない部分もあるため、許容応力度計算によって接合部にかかる力を確認し、適切な仕様を選ぶことが大切です。


次回は、桁継手の引張耐力について、お話します。

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