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■大きな吹き抜けのある住宅は構造計算が必要?床の強さが重要な理由をわかりやすく解説 吹き抜けのある住宅は、明るく開放的な空間をつくれるため、とても人気があります。 一方で、構造の視点から見ると、吹き抜けのある家には注意すべきポイントがあります。 吹き抜けがあることで床に大きな穴が開いたような状態になり、地震や風の力が一部に集中しやすくなることです。 そのため、大きな吹き抜けがある住宅では、一般的な壁量計算だけでなく、構造計算で安全性を確認することが重要になります。 ■そもそも水平構面とは? 水平構面とは、建物の床や屋根のことです。 地震や風が建物に加わると、その力は床や屋根を通して耐力壁へ伝わります。 つまり、床や屋根は単に人や家具の重さを支えるだけでなく、建物に加わった横からの力を各壁へ配る役割も担っています。 この役割が十分に果たせないと、耐力壁を適切に配置していても、本来の性能を発揮しにくくなります。
■なぜ今、床や屋根の強さが重要なのか ●構造計算は「床がしっかりしていること」を前提にしているから 壁量計算や許容応力度計算では、地震や風の力を受けたときに、床がほとんど変形せず、同じ階が一体となって動くことを前提にしています。 床が弱いと、同じ階の中でも変形の大きい場所と小さい場所が生じます。 すると、力の流れが偏り、耐力壁に均等に力が伝わらなくなります。 ●耐力壁の性能向上で、床の弱さが目立ちやすくなったから 最近の住宅では、耐力壁の性能が向上しています。 その一方で、床の構造が十分でないと、今度は床が弱点になりやすくなります。 壁だけを強くしても、床がその力を受けて伝えられなければ、建物全体としての安全性は十分とはいえません。 ●大きな吹き抜けのある住宅が増えているから 吹き抜けは、構造的には床面の一部が欠けている状態です。 床が連続していればスムーズに流れるはずの力が、吹き抜けによって迂回し、周囲の床や細い通路部分に集中しやすくなります。 ■大きな吹き抜けで何が問題になるのか 大きな吹き抜けがある住宅では、2階床が左右に分かれ、その間を細い廊下のような床でつないでいるような形になることがあります。 この場合、その細い部分に多くの力が集まり、ほかの床部分より大きな負担がかかることがあります。 見た目には普通の廊下でも、構造的には床全体の力を受ける重要な部分になっていることがあるのです。 そのため、床倍率や釘打ち仕様などを含めて、十分な強度があるかを確認しなければなりません。
■壁量計算だけでは不十分な場合がある 建築基準法の仕様規定や壁量計算は、一般的な住宅を前提にした考え方です。 そのため、床に大きな欠損がある住宅や、吹き抜けによって複雑な力の流れが生じる住宅では、十分に対応しきれない場合があります。 特に、 ・大きな吹き抜けがある ・2階床が細い通路状につながっている ・床の形が不整形である ・壁の配置に偏りがある このような住宅では、仕様規定だけで判断せず、構造計算で確認することが望ましいです。 ■大きな吹き抜けのある住宅こそ構造計算が大切 吹き抜けは、空間を明るく広く見せる魅力的な設計です。 ただし、その魅力を安全に成立させるには、床がどのように力を伝えるかまで考える必要があります。 構造計算を行えば、 ・どこに力が集中するのか ・どの床が弱点になりやすいのか ・どの程度の補強が必要なのか を具体的に確認できます。 見た目の開放感と、安全性の両方を成立させるためにも、大きな吹き抜けのある住宅では、構造計算による確認が重要です。 <まとめ> 大きな吹き抜けのある住宅では、床に大きな穴が開いたような状態になるため、地震や風の力が一部に集中しやすくなります。 特に、吹き抜けまわりや細い通路状の床は、想像以上に大きな力を負担することがあります。 そのため、一般的な壁量計算だけでなく、構造計算によって床や屋根を含めた安全性を確認することが大切です。 吹き抜けの魅力を安心して活かすためには、意匠だけでなく構造の視点も欠かせません。 次回は、床に加わる力について、お話します。
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