NSJ住宅性能研究所

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鉛直構面(木造住宅)シリーズ21

地震力・風圧力と検定

■木造住宅の構面検定とは?地震力・風圧力の考え方をわかりやすく解説

木造住宅の許容応力度計算では、耐力壁を単純に合計するだけではなく、構面(通り)ごとにどれだけの力が加わるかを確認し、その力に耐えられるかを検定します。

この記事では、構面に加わる地震力・風圧力の考え方と、構面検定の基本を、できるだけわかりやすく解説します。


■構面検定とは何か

構面検定とは、建物の各通りに対して、

・どれだけの地震力や風圧力がかかるのか
・力に対して十分な耐力があるのか

を確認する作業です。

言い換えると、各構面に必要な耐力を求め、その構面がその力に耐えられるかをチェックすることです。

壁量設計が建物全体を比較的簡易に見る方法だとすれば、許容応力度計算の構面検定は、より具体的に通りごとの安全性を見ていく考え方です。


■構面に加わる外力は「地震力」と「風圧力」

構面に加わる主な横方向の外力は、次の2つです。

●地震力

地震時に建物の各階へ加わる横方向の力です。

この力を各構面に分配して、どの通りがどれだけ負担するかを求めます。

●風圧力

強風時に建物へ加わる横方向の力です。

地震力と同様に、各構面がどれだけ負担するかを考えて検定します。

これは、壁量設計で地震用と風圧用を分けて考えるのと同じ考え方です。


■地震力は構面の剛性比で分配する

地震力は、その階全体に加わった力を、各構面に振り分けて考えます。
このときの分配基準になるのが、構面の剛性です。


■剛性とは何か

剛性とは、簡単にいえば変形しにくさです。

硬い構面ほど剛性が大きく、やわらかい構面ほど剛性が小さくなります。



■なぜ剛性比で分配するのか

床が十分に剛く、建物に大きなねじれがない場合、同じ階の構面はほぼ同じだけ横に変形すると考えられます。

そのため、同じ変形量で比べると、剛性の大きい構面ほど大きな力を負担することになります。

つまり、地震力は各構面の剛性比に応じて分配するのが合理的です。


■必要な耐力は「負担地震力」「負担風圧力」で表す

各構面に分配された力は、その構面が最低限受け止めなければならない力です。

これを必要な耐力として考えます。

具体的には、

・地震時の必要な耐力 = 負担地震力
・風圧時の必要な耐力 = 負担風圧力

と表現します。

つまり、構面検定では、まず各構面がどれだけの力を受け持つべきかを求め、その値を基準に安全性を確認していきます。


■地震時は偏心による割増を考慮する

地震時には、建物の壁配置や剛性バランスが悪いと、建物がねじれることがあります。

これを偏心によるねじれといいます。

ねじれがあると、特定の構面に力が集中しやすくなるため、地震時の負担力には偏心による割増係数を掛けて補正することがあります。

一方、風圧力については、通常はこの偏心による割増を考慮しません。


■地震力と風圧力の違い

・地震力:剛性比で分配し、必要に応じて偏心の割増を考慮
・風圧力:基本的に剛性比で分配し、通常は偏心割増なし

この違いは、構面検定を理解するうえで重要なポイントです。


■構面検定では短期許容せん断耐力と比較する

構面に必要な耐力が求まったら、次にその構面が持っている強さと比較します。

ここで使うのが、短期許容せん断耐力です。

検定では、

・短期許容せん断耐力 ≧ 負担地震力
・短期許容せん断耐力 ≧ 負担風圧力

となっているかを確認します。

この条件を満たしていれば、構面は必要な力に耐えられると判断できます。

逆に満たさなければ、その構面は耐力不足となります。


■木造住宅の構面検定を理解するポイント

構面検定を理解するうえで大事なのは、次の流れです。

1. 建物全体に加わる地震力・風圧力を求める
2. 各構面の剛性に応じて力を分配する
3. 地震時は必要に応じて偏心による割増を考慮する
4. 各構面の短期許容せん断耐力が負担力以上か確認する

この流れを押さえると、構面検定はそれほど難しくありません。

<まとめ>構面検定は「各通りが受け持つ力に耐えられるか」を確認すること

木造住宅の許容応力度計算における構面検定では、各通りに対して地震力や風圧力を割り振り、その通りが必要な力に対して十分な耐力を持っているかを確認します。

ポイントは、

・力の分配が剛性比で決まること、

そして、

・地震時には偏心による割増を考慮する場合があること

です。

つまり構面検定とは、「各通りが自分に割り当てられた外力に、きちんと耐えられるかを確かめる検定」と捉えると理解しやすいでしょう。


次回は、水平力の算定と検定について、お話します。

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