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■偏った壁の配置は建物の「ねじれ」を生む 木造住宅では、耐力壁の量だけでなく、どこに配置されているかもとても重要です。 もし耐力壁が建物の片側に偏っていると、地震や強風を受けたときに、建物がまっすぐ揺れるのではなく、ねじれるように変形してしまいます。 「ねじれ」が大きくなると、一部の壁や柱に力が集中し、建物に大きなダメージが生じやすくなります。 場合によっては、倒壊につながるおそれもあります。
実は、木造住宅のねじれの問題は、かなり前から指摘されていました。 昔は今ほど明確なルールが整っておらず、耐力壁は「つり合いよく配置すること」といった、やや抽象的な考え方にとどまっていました。 そのため、壁の配置バランスが悪く、ねじれやすい建物が実際に建てられていた時代もありました。 こうした問題が大きく注目されたのが、1995年の阪神・淡路大震災です。 阪神・淡路大震災をきっかけに、壁の偏りを具体的に確認する方法の必要性が強く認識され、2000年の法改正の流れの中で、四分割法というチェック方法が広く用いられるようになりました。 四分割法は、建物の平面を四つのエリアに分けて、外周側に必要な耐力壁がきちんと配置されているかを確認する方法です。 簡単にいえば、建物の端のほうにも、バランスよく壁が入っているかを見る方法です。 壁が一部に集中しすぎていないかを確認することで、ねじれにくい建物に近づけることができます。 なお、現在は法改正により、以前よく使われていた「4号建築物」という区分も見直されています。 そのため、以前の解説書や資料にある「4号建築物では四分割法で確認する」といった説明は、そのままだと少し古い表現になっている場合があります。 実務では、現在の制度に合わせて読み替えることが大切です。 木造住宅の耐震性というと、どうしても「壁の量」に目が向きがちです。 しかし実際には、壁の量と同じくらい、配置のバランスも重要です。 しっかり壁を入れていても、配置が偏っていれば、地震時に建物がねじれて本来の性能を十分に発揮できないことがあります。 だからこそ、木造住宅の設計では、耐力壁をただ増やすのではなく、全体のバランスを見ながら配置することが大切なのです。
次回は、偏心率について、お話します。
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