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■傾斜軸組みとは? 斜めの壁を「壁」とみるか「床・屋根」とみるか 建物では、北側斜線などの条件によって、壁を垂直ではなく、斜めに計画することがあります。 このような立面的に傾いた壁は、「傾斜軸組み」として扱われます。 ここで問題になるのが、その斜めの部材を壁として考えるのか、それとも床や屋根として考えるのかという点です。 グレー本では、この判断を角度によって整理しています。 ・角度が60度以上なら壁 ・60度未満なら床(屋根) として扱う、というのが基本ルールです。 かなり立ち上がっているものは壁に近く、逆に寝ているものは床や屋根に近い。 まずはそのようにイメージすると分かりやすいでしょう。
■斜めの部材は、性能をそのまま使えない 傾いた壁は、見た目は壁のようでも、まっすぐ立っている壁とまったく同じようには働きません。 なぜなら、地震や風の力に対して、部材の効き方が角度によって変わるからです。 そのため、許容せん断耐力やせん断剛性は、そのまま使うのではなく、角度に応じて補正して考えます。 ■壁として扱う場合の考え方 斜めの部材を壁として扱う場合、許容せん断耐力とせん断剛性にはsinθを掛けて補正します。 ただし、筋かいの場合は sin²θ で扱います。 これは、壁が斜めになるほど、壁として有効に働く成分が小さくなるためです。 言い換えると、斜めの部材の性能のうち、壁方向に効く分だけを取り出して評価するという考え方です。 ■床・屋根として扱う場合の考え方 一方で、角度が60度未満の場合は、床や屋根として扱います。 このときは、許容せん断耐力やせん断剛性にcosθを掛けて補正します。 こちらは、斜めの部材のうち、水平に近い方向に有効な分を評価していると考えると理解しやすくなります。 ■感覚的にはこう考えると分かりやすい 傾斜軸組みは少し難しく見えますが、考え方の基本はとてもシンプルです。 ・立っているものは壁に近い ・寝ているものは床や屋根に近い ・ただし、斜めである以上、性能を100%そのまま使えるわけではない つまり、斜めの部材は「壁でもあり、床・屋根でもある中間的な存在」なので、角度に応じて性能を調整しているわけです。 <まとめ> 傾斜軸組みでは、斜めの部材を一律に壁として扱うのではなく、まず角度で「壁」か「床・屋根」かを判断し、そのうえで性能を補正して評価します。 基本ルールを整理すると、次の通りです。 ・60度以上は壁 ・60度未満は床・屋根 ・壁として扱うときは sinθ(筋かいは sin²θ) ・床・屋根として扱うときは cosθ 傾いた部材は設計上少し特殊ですが、考え方の軸は明快です。 どの方向に、どれだけ有効に力を負担できるかを、角度に応じて丁寧に見ていくことが大切です。
次回は、面材耐力壁について、お話します。
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