NSJ住宅性能研究所

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鉛直構面(木造住宅)シリーズ7

耐力壁の幅・高さ★

■耐力壁の幅と高さにはルールがある

木造軸組み構法の耐力壁は、見た目が壁であれば何でも同じように使えるわけではありません。

実は、幅や高さに一定のルールがあり、その条件を満たしたものを使う必要があります。

まず、筋かいを使う耐力壁は、一般的に柱と柱の間隔が90cm以上必要です。

幅があまりに狭いと、十分な耐力壁として扱えないためです。

一方、面材を張るタイプの耐力壁では、告示に基づくものや大臣認定を受けたもの、性能表示で認められたもの、さらにグレー本の詳細計算法で設計するものについて、一般的に柱間隔は60cm以上とされています。

つまり、面材系の壁は筋かい系よりも、やや狭い幅でも使える場合があるということです。


耐力壁は高さにも制限があります。

グレー本では、壁が細長くなりすぎないように条件が決められており、筋かい系は高さが幅の3.5倍まで、面材系は基本的に5倍までとされています。

細くて背の高い壁は、見た目には普通の壁でも、耐力壁としては適切に性能を発揮しにくいためです(突っ張れない)

さらに、構造実験などで性能を確認した耐力壁については、評価機関が個別に幅や高さの条件を定め、評価書に示すのが一般的です。

この場合は、設計者がその評価書の内容を確認したうえで使うことになります。

少し意外なのが、高さの低い壁の扱いです。

低い壁は変形しにくいため、実際には剛性が高くなり、力が集中しやすい傾向があります。

そのため、計算ではあえて強度を低めに見込むことがあります。

これは、「低い壁だから有利」と単純に考えるのではなく、建物全体の安全性を見ながら、他の場所にも適切に耐力壁を配置するためです。

一つの壁だけを強く評価するのではなく、建物全体のバランスを整えるための考え方といえます。

耐力壁というと、「強い壁かどうか」に目が向きがちですが、実際にはどれくらいの幅があるか、どれくらいの高さかもとても重要です。

耐力壁は、ただ入れればよいのではなく、適切な形や条件のもとで使ってこそ、本来の性能を発揮するのです。



次回は、準耐力壁について、お話します。

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