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近年の木造住宅では、より強い耐力壁が求められるようになっています。 その大きなきっかけの一つが、2016年の熊本地震です。 被害調査では、耐震等級3の住宅は被害が比較的小さかったことが分かり、あらためて高い耐震性能の重要性が注目されました。 こうした流れを受けて、最近では耐震等級2や3を標準仕様とする住宅会社も増えています。 ただ、耐震性能を高めようとして一般的な耐力壁だけで対応すると、必要な壁量を確保するために、家の中が壁だらけになってしまうことがあります。 特に3階建て住宅では1階に大きな強さが必要になるため、少ない壁でもしっかり耐えられる高倍率の耐力壁が重要になってきます。
こうした背景から、高耐力の耐力壁の開発が進みました。 実際に、2018年3月の告示改正では、構造用面材を使った耐力壁に4.3倍などの高倍率の仕様が新たに追加されています。 構造用パーティクルボードや構造用MDFを使った耐力壁がその代表例です。 さらに注目したいのが、釘の打ち方の変化です。 これまで、軸組工法の面材耐力壁では、釘の間隔は基本的に15cmピッチが中心でした。 ところが新しい仕様では、7.5cmピッチのように、より細かい間隔で釘を打つ方法も採用されるようになりました。 加えて、構造用合板にCN50釘を使う仕様も加わっています。 つまり、最近の面材耐力壁は、 ・新しい面材 ・新しい釘 ・新しい釘ピッチ という形で進化してきたということです。 これまでよりも、より高い耐力を持つ壁をつくれる時代に入ったといえるでしょう。 ただし、壁倍率が高いからといって、どんな場面でも自由に使えるわけではありません。 壁の幅や高さの条件、釘の種類や打ち方、設計上のルールをきちんと守ることが前提です。 また、木造住宅の設計では、単に、強い壁を増やせばよいというわけでもありません。 どの壁を、どこに、どの条件で使うのかを正しく考えることが、とても大切です。 高倍率の耐力壁は、そうした設計の幅を広げてくれる心強い選択肢の一つだといえます。
次回は、耐力壁の幅・高さについて、お話します。
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