NSJ住宅性能研究所

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鉛直構面(木造住宅)シリーズ4

許容せん断耐力の設定

■耐力壁の「許容せん断耐力」はどう決まるのか

耐力壁の「許容せん断耐力」の決め方は、基本的には「壁倍率」の考え方と同じです。

というのも、壁倍率は許容せん断耐力を1.96で割って求めるからです。

つまり、順番としては、まず許容せん断耐力を求め、その数値をもとに壁倍率へ換算する、という流れになります。

計算の出発点は、実は壁倍率ではなく、許容せん断耐力の方なのです。


ただし、ここで注意したい点があります。

壁倍率は自由に名乗れる数値ではありません。

政令や告示で定められたもの以外は、大臣認定を受けなければ正式な壁倍率として扱うことができません。

そのため、たとえ許容せん断耐力を計算できたとしても、勝手に、

「この壁は壁倍率○倍です」

と表現することはできません。

実務では、正式な壁倍率とは区別して、

「○倍相当」

という言い方がよく使われます。

これは、

「正式な壁倍率ではないが、強さとしてはその程度に相当する」

という意味です。

また、木造住宅の許容応力度計算で広く使われているグレー本では、一般的に7倍相当を超える耐力壁は用いない考え方が示されています。

数値でいえば、13.72kN/mを超える許容せん断耐力は、通常は採用しないということです。

耐力壁の性能を考えるときは、単に、壁倍率がいくつか、を見るだけでなく、その元になっている許容せん断耐力がどのように決まっているかを理解しておくことが大切です。



次回は、剛性について、お話します。

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