NSJ住宅性能研究所

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荷重と外力(木造住宅)シリーズ5

風圧力

■風圧力は「地域」と「周りの環境」と「高さ」で大きく変わる

建物に作用する水平力には、主に風と地震があります。

ここでは風による力(風圧力)の考え方を、計算式の細部よりも、「何をどう積み上げて決めるのか」に絞って説明します。

■まず大事なのは「風速が少し増えるだけで、力は一気に増える」こと

風が建物を押す強さ(速度圧)は、風速の2乗に比例します。

つまり、

・風速が 2倍 → 圧力は 4倍
・風速が 1.5倍 → 圧力は 2.25倍

というように、風は、速くなるほど急激に強くなるのがポイントです。



■その土地の「基準風速(V0)」がスタート地点

風の強さの基準となる風速を基準風速(V0)といい、地域ごとに地図で決められています。

地図では、沖縄・南九州・四国・房総半島などが大きめで、これは主に台風の影響です。

一方、北海道南西部などは台風ではなく冬の季節風が理由でやや大きくなります。


■同じ地域でも「高さ」と「周りの建ち方」で風は変わる

基準風速(V0)が同じでも、実際に建物が受ける風は次で変わります。

●高いほど風は強い

 地面近くは摩擦で風が弱く、上空ほど風が強くなります。

 そのため、建物の高さに応じて、上空ほど大きくなる係数を掛けて調整します。

●海沿いは強く、都市部(建物が密)では弱い

 海岸付近は遮るものが少なく風が強くなりやすい一方、都市部は建物や樹木が多く、地面付近の風が弱くなります。

 これを整理するのが地表面粗度区分です(地面が「ざらざら=障害物が多い」ほど、地表近くの風が落ちる)


●速度圧 q を出して、面ごとの力を足し合わせる

 考え方はシンプルで、

 ・基準風速 V0(地域)を決める
 ・高さと地表面粗度などを係数で反映して速度圧 qを求める
 ・壁や屋根など、面ごとに「風力係数(Cf)」と「面積(A)」を掛けて力を出す
 ・それらを同じ風向きで合計して、建物全体の風圧力にする

という流れです(速度圧 ×(係数×面積)の合計)


■「面」は分けて計算する(壁と屋根は係数が違う)

同じ建物でも、

・壁
・勾配屋根の斜面
・軒先・けらば付近
・屋根の風上側/風下側

などで、風の当たり方(吸い上げ方も含む)が違うため、風力係数(Cf)が変わります。

そのため、建物をひとまとめではなく、係数が同じになる面ごとに区切って計算し、最後に合計します。



次回は、風圧力算定について、お話します。

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