NSJ住宅性能研究所

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荷重と外力(木造住宅)シリーズ2

建物や雪の重さ

荷重や外力を計算するときは、まず 鉛直荷重(上から下にかかる重さ) を決めます。

鉛直荷重は主に 固定荷重 と 積載荷重 の2つです。

①固定荷重(G):建物そのものの重さ

固定荷重とは、屋根・床・壁など建物を構成する材料の重さ(自重) のことです。

原則はシンプルで、

・部位ごとの「単位面積あたりの重さ」×「その部位の面積」
・それを 足し合わせる(積算する)

という手順で求めます。

たとえば、屋根がスレート葺きなら比較的軽い一方、外壁が窯業系サイディングだとやや重くなる、といったように、プランや仕様の違いが固定荷重に反映されます。

許容応力度計算では、こうした 実際の仕様に合わせた荷重設定 が可能です。

また、細かく積算しない場合は、建築基準法施行令84条にあるような 標準的な値 を使う方法もあります。

注意点として、材料の「重い/軽い」は昔の常識と変わってきています。

以前は「モルタル塗り=重い」、「サイディング=軽い」傾向がありましたが、最近は、

・モルタル:軽い材料で薄塗りになりやすい
・サイディング:厚みが増して重くなりやすい

など、逆転するケースもあります。

そのため、イメージで決めず、実態(仕様・製品)を確認することが大切です。


②積載荷重(P):生活の中で載る重さ

積載荷重は、建物が完成したあとに床の上へ載る重さです(家具、人、家電、収納物など)

住宅の場合、この積載荷重は 1種類ではなく、目的に応じて3種類に分けて使います。

住宅の代表値は次のとおりです。

・床を設計するための積載荷重:1800 N/㎡
→ 重い家具が一部に集まるなど、局所的に大きく載る状況を見込む

・大梁・柱・基礎を設計するための積載荷重:1300 N/㎡
→ 部屋全体にびっしり重量物が並ぶ状況までは想定しない

・地震力を計算するための積載荷重:600 N/㎡
→ 物が多い部屋・少ない部屋が混在するので、建物全体として平均化した値を使う


■なぜ3種類もあるのか?

ポイントは 、荷重の集中のしかたが、部材ごとに違う からです。

・床板:
 一点に重い物が載ることがある(集中が強い)
・梁、柱、基礎:
 部屋全体に均等に重い物が並ぶ状況は稀(集中は弱まる)
・地震力:
 建物全体として平均的に見る(部屋ごとの差を平均化)

つまり、どこを設計するか(床なのか、梁柱なのか、地震なのか) によって、同じ「積載荷重」でも使う値を変える、という考え方です。


■結論:住宅全体の平均としては「600 N/㎡」を想定している

上の整理から、住宅の積載荷重は、建物全体で平均して考えると 600 N/㎡程度 を見ていることが分かります。

そのため、たとえば 実物大の振動台実験 を行う場合、積載荷重の再現として 600 N/㎡相当の重りを載せる のが一般的です。



次回は、積雪割り増しについて、お話します。

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