NSJ住宅性能研究所

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荷重と外力(木造住宅)シリーズ1

荷重と外力

許容応力度計算では、建物にかかる力を「いつもかかる力」と「たまに大きくかかる力」に分けて考えます。代表的には次の5つです。

G:固定荷重(建物そのものの重さ。柱・梁・屋根・床・仕上げなど)
P:積載荷重(人・家具・物など載るものの重さ)
S:積雪荷重(雪の重さ)
W:風圧力(風で押されたり吸い上げられたりする力)
K:地震力(地震で揺れて生じる力)


■壁量設計との大きな違い

壁量設計は「壁倍率」などの比(倍率)で扱う部分が多いのに対し、許容応力度計算では、G・P・S・W・Kを建物ごとに実数(kNなど)で具体的に計算します。

つまり「この建物の重さはどれくらい?」、「雪が積もると何kN増える?」を、より精密に求めていくイメージです。



■「長期」と「短期」は何が違う?

●長期の荷重状態

いつも建物にかかっている状態のことです。

建物側から見ると、「常時荷重がかかった状態」なので、これを 長期 と呼びます。

●短期の荷重状態

長期(常時)に、地震や強風や積雪などの「臨時の力が加わった状態」です。

これを 短期 と呼びます。

※注意:
「臨時荷重だけ」を短期と呼ぶ人もいますが、許容応力度計算では基本的に 「常時+臨時の組み合わせ状態」を短期と考えます。


■荷重・外力の組み合わせ(設計でチェックするパターン)

設計では、長期と短期の両方を満足する必要があります。

① 一般地域の場合

●長期(いつも)
 常時:G + P

●短期(いつも+臨時)
 積雪時:G + P + S

●暴風時:G + P + W

●地震時:G + P + K

② 多雪区域の場合(雪が長く残る地域)

多雪区域は、雪が一時的ではなく、長く載り続ける前提なので、雪の扱いが変わります。

●長期(いつも:雪が続く状態も“長期”として考える)
 常時:G + P

●積雪時:G + P + 0.7S
(長く続く雪は“最大値そのまま”ではなく、0.7倍として扱う)

●短期(いつも+臨時)
 積雪時:G + P + S

●暴風時:

・G + P + W
・G + P + 0.35S + W(雪+暴風の同時を考えるときは雪を0.35倍)

●地震時:G + P + 0.35S + K(雪+地震の同時は雪0.35倍)


■「G+P+W+K」が無い理由

G+P+W+K(強風+地震の同時)は出てきません。

これは設計上、「暴風と大地震が同時に起こる可能性は低い」と割り切って、同時発生を基本的に考えないルールになっているからです。


■短期のほうが荷重は大きいのに、検定が厳しいとは限らない

短期は「常時+臨時」なので、たしかに荷重は大きくなります。

しかし、材料の許容応力度(耐えてよい強さ)も 短期のほうが大きく設定されているため、短期のチェックが必ずしも一番きついとは限りません。



次回は、建物や雪の重さについて、お話します。

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