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水平構面(床や屋根の面)の「許容せん断耐力(横から押されたときに、壊れずに耐えられる力)」の求め方は、基本的には耐力壁と同じ考え方です。 ■以前は床の実験がやりにくかった 床の強さを確かめるには、8畳くらいの大きさ(約3.64m×3.64m)の床を実際につくって、横方向に力をかける実験が行われていました。 しかし、この実験は大きな設備が必要で、手軽にできません。 そのため、床構面の実験データは、耐力壁の実験に比べてずっと少ない状態が長く続いていました。
■2000年以降「床倍率」ができて、実験が簡単になった 2000年に「住宅性能表示制度(品確法)」が始まり、床の強さを表す指標として床倍率が導入されました。 すると、床倍率をもっと簡単に測れる実験方法が必要になり、壁と同じようなやり方で試験して床倍率を決める方法が採用されるようになりました。 ■壁の実験と違うのは、支え方 床の実験は、耐力壁の実験とほぼ同じですが、床を支える部分の再現方法が少し違います。 耐力壁の実験では、壁の下に、土台がある前提で固定するのが一般的です。 一方、床構面の実験では、床の周囲の横架材(梁など)を再現するために、柱の下にブロックなどを入れて、土台にあたる材を少し浮かせることがあります。 こうすると、床が実際の建物と同じように、たわんだり曲がったりする動きが出やすくなります。 ■許容耐力は、4つの指標のうち一番小さい値で決める 水平構面の許容せん断耐力の決め方は耐力壁と同じで、4つの指標を計算し、その中の最小値を採用するというルールです (安全側=弱い方に合わせる、ということです) ■グレー本の設計では、床は壊れない前提が基本 グレー本に沿った設計では、原則として、 「床(水平構面)より先に、耐力壁が壊れるようにする」 という考え方が基本です。 つまり、この設計法に限って言えば、床は粘り強く変形させる(塑性化させる)前提ではないので、靭性(ねばり強さ)に関する指標は本来は不要になります。 ■他の設計(柔床など)にも対応するため、4指標で算定する ただし、現実には、柔床で設計するなど、別の設計法もあります。 その場合は床が大きく変形することも考える必要があるので、どんな設計にも対応できるように、靭性を含めた4つの指標から許容耐力を求める形にしています。
次回は、接合部の許容耐力について、お話します。
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