NSJ住宅性能研究所

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許容応力度計算(木造住宅)シリーズ23

鉛直構面(耐力壁)

■鉛直構面(耐力壁)って何?

地震や風で建物が横から押されると、建物は、横にズレようとします。

そのズレに抵抗する「縦方向の壁の面」が 鉛直構面(耐力壁) です。

許容応力度計算では、この耐力壁に、「どれだけの力までなら安全に負担させてよいか(許容せん断耐力)」を与えて、建物全体が耐えられるかを確認します。



■許容応力度計算で使える耐力壁は4種類

許容応力度計算で使える耐力壁は、根拠(裏付け)が明確なものに限られます。

代表的なものは次の4つです。

① 壁倍率のある耐力壁

いちばん一般的なタイプです。

・筋かいの耐力壁(建築基準法施行令46条4項の仕様)
・面材耐力壁(1981年 建設省告示1100号の仕様)

さらに、大臣認定を取った製品・工法もここに含まれます。

② 住宅性能表示制度の「準耐力壁等」

法律は建築基準法ではなく、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の枠組みですが、性能表示制度の中で根拠をもって壁倍率が定められているので、許容応力度計算でも使えます。

ここには主に、

・準耐力壁
・垂れ壁・腰壁

などが入ります。

③ 「グレー本」の詳細計算法による壁

いわゆる「グレー本」の詳細計算法で、合理的な手順により耐力(許容せん断耐力)を評価する壁です。

この本自体が国交省関係組織の監修を受けているため、根拠として扱える=使用できる、という整理になります。

④ 構造実験で許容せん断耐力を求めた壁

実物(または同等条件)で構造実験を行い、許容せん断耐力まで評価した壁です。

一般には、性能評価機関が発行した評価書など、第三者の評価資料があると、根拠が信頼できると判断しやすく、使用できることが多いです。


■重要:壁倍率は、そのまま許容応力度計算に使わない

①と②は「壁倍率(倍)」で性能が与えられているので、許容応力度計算で使うために kN/m(力/壁の長さ) に変換します。

壁倍率 × 1.96 = 許容せん断耐力(kN/m) とします。

●例:換算のイメージ

・壁倍率 2.5 → 2.5 × 1.96 = 4.90 kN/m
・壁倍率 4.3 → 4.3 × 1.96 = 8.43 kN/m

※垂れ壁・腰壁も同じ考え方で、例えば壁倍率2なら 3.92 kN/m、壁倍率5なら 9.80 kN/m のように換算されます。


<まとめ>

許容応力度計算では、安全だと言える根拠がある耐力壁だけを使います。

その根拠の代表が4つ(①法令/告示の壁倍率、②性能表示、③グレー本計算、④実験評価)

そして、壁倍率で与えられる①②は、×1.96して kN/m に直して計算に入れます。



次回は、水平構面(床・屋根構面)について、お話します。

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